株式会社ニトリホールディングス 似鳥昭雄会長
今回の「HOKKAIDO COLORS~北海道から」には、株式会社ニトリホールディングスの似鳥昭雄会長が登場。北海道札幌市で創業し、今や全国、世界へと企業活動を広げているニトリ。今月、2025年卒学生が選ぶ「マイナビ・日経 大学生就職企業人気ランキング」が発表され、文系総合ではニトリが2年連続で1位に輝いた。自身の経験を元に、青年への期待、師匠との出会いなどについて語ってもらった。
――青年を育成する上で、どのようなことを大切にしていますか?
自らのロマンに目覚め、ビジョンを設定するように導くことです。
ロマンとは、世のため、人のために貢献しようという志です。
ビジョンとは、20年以上先に達成すべき長期目標です。
私は28歳の時(1972年)にアメリカに視察に行って、日本との豊かさの差に衝撃を受けました。
その時、「日本を豊かな国にしよう」と決意しました。それから30年後を目指し、100店舗、売り上げ1000億円という長期計画を立て、2003年に達成。本年、1000店舗に到達しました。
そして今、2032年までに3000店舗を目標にしています。普通は無理だと思うでしょ? でもね、不可能を可能にするのがロマンとビジョンなんです。
――会長はどのような青春時代を過ごしてきたのでしょうか。
幼い頃から人の言っていることが理解できない、覚えられない。成績はいつもクラスでビリ。小学校に入ると母の米の配達を手伝い、中学になると父のコンクリート会社も手伝い始めました。
仕事があまりにもつらくて辞めたいから、高校卒業後は短期大学に入学。でも、お金がないから結局、ほとんどアルバイト生活でした。
社会人になっても、広告会社をクビになったり、父の会社からも追い出されたり、散々でした。自分でやるしかないと思い、23歳の時に始めたのが30坪の家具店です。
――ご自身の経験を通して、青年に特に伝えたいことは何でしょうか。
僕は記憶力も、何の能力もない。いまだに整理整頓ができなくて机の上は書類だらけ。部屋はぐちゃぐちゃ。数年前に発達障がいだと分かりました。
そんな僕の唯一できたことが、商品を探して仕入れ、配達することでした。それを開発していったんです。短所は一生、直らない。たとえ10のうち9が短所でも、1の長所を探し伸ばすことです。
若者は「この仕事は嫌」とか言わずに、とにかくやってみる。どんな仕事が自分に合っていて、何に興味を持って、好きになるか分からないんだから。
そのためにも大切なのは楽観主義です。考えすぎて、立ち止まってはいけない。行動し、前進し続ければ、必ず成長します。
私たち人間は使命があって生まれてきた。その使命とは、「世のため、人のために役に立ちなさい」ということだと思っています。
――師匠との出会いが人生を大きく変えたそうですね。
30代の時、渥美俊一(日本の経営コンサルタント。1926年8月~2010年7月)先生と出会いました。日本のチェーンストア理論の第一人者で、僕の人生の師匠です。渥美先生がいなかったら、今の僕はいません。
怒られてばかりだったけど、師匠に認められるのが、最大の喜びでした。
現状を打ち破っていくための「チェンジ、チャレンジ、コンペティション、コミュニケーション」の「4C主義」や、5年先取る「先制主義」など、先生からチェーンストア経営の全てを学びました。
先生はいつも訴えていました。「売り上げや利益のためではなく、国民の暮らしを変えるために働くんだ。革命を起こすんだ」と。
わが社では、そういったリーダーを育てています。リーダーに必要なのは、ロマンとビジョンを社員と共有し、一人一人の長所を見つけ、共に未来に向かって進んでいくこと。また、部下の私生活にも責任を持ち、悩みがあれば取り除いていくこともリーダーの大事な仕事です。
――紛争や災害など、多くの課題がある現代において、平和のために何が大切でしょうか。
困っている人がいれば手を差し伸べ、お互いに助け合っていくことだと思います。
取り組みの一つとして、国内のウクライナ避難民の方々に対し、安定した生活を送っていただくために、生活支援と就労支援を行っています。
また、災害が起こった時には、すぐに行政に掛け合い、寄付をしています。国際奨学財団を設立し、中・高・大学生、留学生に対して、返済不要の給付型奨学金の支援も行っています。
国同士で見ると、関係が難しい場合もありますが、僕たちには関係ありません。「世のため、人のため」の精神のままに、自分にできることに全力で取り組んでいきたいです。
【プロフィル】にとり・あきお ニトリホールディングス会長兼CEO。1944年樺太生まれ。67年、似鳥家具店を札幌で創業。昨年、36期連続増収増益を達成。上場来33期連続は、世界上場企業ランキング単独1位。公益財団法人の似鳥文化財団や似鳥国際奨学財団などの代表理事も。小樽芸術村やニトリ観光果樹園(余市町)を開設し、北海道の観光・農業にも貢献している。
ロマンとビジョンを持てていない自分。
とにかくやってみる精神はまだまだある自分。
何事にも大切な楽観主義は、欠けている自分。
大切なことを学びました‼️

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