終末期ケア専門士 3日目 – コミュニケーションの技術






終末期ケア専門士 3日目 – コミュニケーションの技術


終末期ケア専門士 7日間学習プログラム
【3日目】コミュニケーションの技術

  1. 📚1・2日目の振り返り(5分復習)
    1. 1日目:基本的な考え方
    2. 2日目:苦しみへの対応
      1. できていますか?
  2. 💡1. なぜコミュニケーションが重要なのか
    1. 終末期の方が一番求めていること
      1. ✨大切な真実
  3. 🌟2. 信頼される5つの基本姿勢
    1. ① 目線を合わせる
      1. 実践ポイント:
    2. ② 適切な距離感
      1. 🤝触れる場合の許可の取り方:
    3. ③ 体の向きと姿勢
      1. ⚠️避ける姿勢:
    4. ④ 表情と声のトーン
      1. 表情:
      2. 声:
      3. NGな声:
    5. ⑤ 時間を確保する
  4. 👂3. 傾聴の技術(実践編)
    1. 傾聴とは?
    2. 技術① うなずき・相づち
      1. 効果的なタイミング:
      2. 相づちのバリエーション:
      3. NGな相づち:
    3. 技術② 繰り返し(オウム返し)
      1. ✨効果:
      2. コツ:
    4. 技術③ 気持ちを言葉にする
      1. 感情の名前をつける:
      2. よく使う感情の言葉:
      3. ⚠️注意点:
    5. 技術④ 沈黙を怖がらない
      1. 良い沈黙(守るべき):
      2. 沈黙中にすること:
      3. やってはいけないこと:
    6. 技術⑤ 開かれた質問
      1. ✨魔法の質問:
  5. 🚨4. 難しい場面での対応
    1. 場面① 「もう死にたい」と言われたら
      1. ❌ 避けるべき対応:
      2. ⭕ 良い対応:
      3. 理解すべきこと:
    2. 場面② 「治りますか?」と聞かれたら
      1. ❌ 避けるべき対応:
      2. ⭕ 良い対応:
      3. ⚠️原則:
    3. 場面③ 怒りをぶつけられたら
      1. 理解すること:
      2. 対応の手順:
      3. 🛡️自分を守ることも大切:
    4. 場面④ 泣かれたとき
      1. ❌ 避けるべき対応:
      2. ⭕ 良い対応:
      3. 知っておくこと:
  6. 🧠5. 認知症の方とのコミュニケーション
    1. 基本原則
    2. ① 現実に引き戻さない
    3. ② 短く、シンプルに話す
    4. ③ ジェスチャーを使う
    5. ④ 同じことを何度聞かれても
    6. ⑤ 不安を先取りする
  7. 👨‍👩‍👧‍👦6. 家族とのコミュニケーション
    1. 家族も支援の対象
      1. 家族の心理状態:
    2. 効果的な声かけ
      1. ❶ 労をねぎらう
      2. ❷ 具体的に褒める
      3. ❸ 選択肢を提示
      4. ❹ 罪悪感を軽減
  8. ✅7. 今日から実践!コミュニケーションチェックリスト
    1. 会話前の準備(10秒)
    2. 会話中(常に意識)
    3. 会話後(振り返り)
  9. 📊8. よくある失敗と改善
    1. 失敗例① 話しすぎ
    2. 失敗例② すぐに解決しようとする
    3. 失敗例③ 励まししすぎ
  10. 📝9. 3日目のまとめ
    1. コミュニケーションの基本姿勢:
    2. 傾聴の技術:
    3. 難しい場面:
  11. 🎯10. 明日からの実践課題
    1. 必ず1日1回はやること
    2. チャレンジ課題
    3. 振り返りメモ(1日の終わりに)
  12. 🔜明日(4日目)の予告
    1. テーマ:意思決定の支援 (アドバンス・ケア・プランニング)
  13. 💭今日の振り返り(2分)
  14. 🎉3日間、本当にお疲れ様でした!🎉

📚1・2日目の振り返り(5分復習)

1日目:基本的な考え方

  • ✅ 「治す」→「支える」
  • ✅ 本人の気持ち最優先
  • ✅ その人らしさを大切に

2日目:苦しみへの対応

  • ✅ 4つの苦しみ(体・心・社会・霊的)
  • ✅ 痛みのサイン観察
  • ✅ 具体的な報告の仕方

できていますか?

  • 朝の「痛みや苦しさ」確認
  • 表情の観察
  • 気づきのメモ

→今日からはさらに「伝わる対話」を学びます!

🎯【3日目の目標】
本人が「話してよかった」と思えるコミュニケーションができるようになる

💡1. なぜコミュニケーションが重要なのか

終末期の方が一番求めていること

順位 内容
1位 話を聞いてほしい
2位 そばにいてほしい
3位 自分を理解してほしい

✨大切な真実

  • 医療行為よりも「誰かが聞いてくれる」ことで苦しみが和らぐ
  • 話すことで、自分の気持ちが整理できる
  • 「一人じゃない」と感じられる

🌟2. 信頼される5つの基本姿勢

① 目線を合わせる

⭕ 良い例

座っている本人

[あなた] ← しゃがむ、椅子に座る
同じか少し低い目線
❌ 悪い例

座っている本人

立ったまま見下ろす ← 威圧的に感じる

実践ポイント:

  • ベッドなら腰を下ろす
  • 車椅子ならしゃがむ
  • 立って話すのは最長1分まで

② 適切な距離感

関係性 距離 備考
親しい関係 45cm~1m 手が届く距離
まだ慣れていない 1m~1.5m 徐々に近づく

🤝触れる場合の許可の取り方:

  • 「もう少し近くに座ってもいいですか?」
  • 「手を握ってもいいですか?」

→ 許可を取ることで安心感が生まれます

③ 体の向きと姿勢

⭕ 良い姿勢

本人

/ \
[あなた] ← 体を向ける
手は膝の上(開いた姿勢)

⚠️避ける姿勢:

  • ❌ 腕組み → 拒否的に見える
  • ❌ 足組み → リラックスしすぎ
  • ❌ 体をそらす → 関心がないように見える
  • ❌ スマホや時計を見る → 「早く終わらせたい」と思われる

④ 表情と声のトーン

表情:

  • 穏やかな表情(作り笑いは不要)
  • 相手の表情に合わせる
    • 悲しい話 → 一緒に悲しむ表情
    • 嬉しい話 → 一緒に笑顔

声:

  • 少しゆっくり
  • 少し低めのトーン(落ち着き)
  • 大きすぎず、小さすぎず
  • 語尾まではっきりと

NGな声:

  • ❌ 高い声で「元気出して〜!」
  • ❌ 早口
  • ❌ 子ども扱いする話し方

⑤ 時間を確保する

会話の種類 必要な時間
軽い会話 3〜5分
深い話 15〜30分
❌ 悪い例

「ちょっと今忙しいので後で」

⭕ 良い例

「大切なお話ですね。○時に戻ってきて、ゆっくりお話を聞かせてください」

→ 必ず戻る!

👂3. 傾聴の技術(実践編)

傾聴とは?

聴く=耳+目+心

ただ聞くのではなく、全身で受け止める

技術① うなずき・相づち

効果的なタイミング:

本人「最近、夜が不安で…」
あなた(うなずく)
本人「眠れなくて」
あなた「そうなんですね」(ゆっくり)
本人「昼間は大丈夫なんですけど」
あなた(うなずく)

相づちのバリエーション:

  • 「そうなんですね」
  • 「それは…」
  • 「うんうん」
  • 「ええ」
  • 「○○なんですね」(繰り返し)

NGな相づち:

  • ❌ 「へぇ〜」(軽い印象)
  • ❌ 「ふ〜ん」(興味なさそう)
  • ❌ 早すぎる相づち(聞いてない印象)

技術② 繰り返し(オウム返し)

⭕ 基本のやり方

例1
本人:「痛くて眠れなかった」
あなた:「痛くて眠れなかったんですね」
例2
本人:「家族に迷惑をかけているようで…」
あなた:「迷惑をかけているように感じるんですね」

✨効果:

  • 「ちゃんと聞いてくれている」と伝わる
  • 本人が自分の気持ちを再確認できる
  • 次の言葉を引き出せる

コツ:

  • 全部繰り返さなくてOK
  • キーワードだけ繰り返す
  • 語尾を「〜んですね」にする

技術③ 気持ちを言葉にする

感情の名前をつける:

本人:「もう何もできなくなって…」
(下を向いて小さな声)

あなた:「悲しい気持ちなんですね」
または
「つらいですね」

よく使う感情の言葉:

  • つらい、悲しい、寂しい
  • 不安、怖い、心配
  • 申し訳ない、情けない
  • 悔しい、腹立たしい
  • 嬉しい、ありがたい

⚠️注意点:

  • 決めつけない(「〜と感じますか?」で確認)
  • 否定しない

技術④ 沈黙を怖がらない

良い沈黙(守るべき):

  • 考えている
  • 涙をこらえている
  • 次の言葉を探している

10秒は待つ

沈黙中にすること:

  • 穏やかな表情で待つ
  • そっと手を握る
  • うなずく
  • 一緒に外を眺める

やってはいけないこと:

  • ❌ すぐに話題を変える
  • ❌ スマホを見る
  • ❌ 「何か話してください」と急かす

技術⑤ 開かれた質問

閉じた質問
(答えがYes/No)
開かれた質問
(話が広がる)
「痛いですか?」
→「はい」で終わる
「どんな痛みですか?」
→ 詳しく話せる
「眠れましたか?」
→「いいえ」で終わる
「夜はどんな感じでしたか?」
→ 状況を話せる

✨魔法の質問:

  • 「もう少し詳しく教えてもらえますか?」
  • 「それについて、どう感じていますか?」
  • 「他に何かありますか?」

🚨4. 難しい場面での対応

場面① 「もう死にたい」と言われたら

❌ 避けるべき対応:

  • 「そんなこと言わないで!」
  • 「まだ大丈夫ですよ」
  • 「家族が悲しみますよ」

→ 本人の気持ちを否定している

⭕ 良い対応:

1
受け止める
「そう感じているんですね」
(否定しない、驚かない)
2
気持ちを聞く
「それはとてもつらいですね。何が一番つらいですか?」
3
寄り添う
「一人で抱えなくていいですよ。一緒に考えましょう」
4
医療職に相談
(うつ状態の可能性)

理解すべきこと:

  • 「死にたい」=「今のつらさから解放されたい」
  • 否定すると余計に孤独になる
  • 話せただけで楽になることもある

場面② 「治りますか?」と聞かれたら

❌ 避けるべき対応:

  • 「大丈夫、治りますよ」(嘘)
  • 「それは先生に聞いてください」(逃げ)
  • 「わかりません」だけ(冷たい)

⭕ 良い対応:

1
まず聞く
「病気のことが心配なんですね。どんなことが気になりますか?」
2
正直に、優しく
「私からは病気のことは詳しくお伝えできないのですが、先生にしっかり聞いておきますね」
3
不安に寄り添う
「不安な気持ち、よくわかります。何か他に心配なことはありますか?」

⚠️原則:

  • 嘘はつかない
  • 知らないことは正直に言う
  • でも、突き放さない
  • 不安な気持ちは受け止める

場面③ 怒りをぶつけられたら

理解すること:

  • 怒りの裏には「恐怖」「悲しみ」がある
  • あなた個人への怒りではない
  • 感情のはけ口が必要

対応の手順:

1
まず受け止める
(反論しない、言い訳しない)
「お怒りなんですね」
2
謝罪(必要なら)
「不快な思いをさせて申し訳ありません」
3
傾聴
「どんなことが嫌でしたか?」
4
できることを提案
「○○については改善できます」
5
気持ちを聞く
(少し落ち着いてから)
「他に何か心配なことはありますか?」

🛡️自分を守ることも大切:

  • 暴言・暴力は我慢しない
  • すぐに離れて、上司に相談
  • 一人で抱え込まない

場面④ 泣かれたとき

❌ 避けるべき対応:

  • 「泣かないで」
  • 「元気出して」
  • 「大丈夫ですよ」

→ 泣くことを止めてしまう

⭕ 良い対応:

1
黙って寄り添う

  • ティッシュを渡す
  • そっと背中に手を当てる
  • 落ち着くまで待つ
2
声をかける
「つらいですね」
「泣いていいんですよ」
3
話したくなるまで待つ
「落ち着いたら、お話聞きますね」

知っておくこと:

  • 泣くことは悪いことではない
  • 感情を出せることは健康的
  • 泣いた後は少し楽になる

🧠5. 認知症の方とのコミュニケーション

基本原則

理解すべきこと:

  • 記憶は曖昧でも、感情は残る
  • 否定されると傷つく
  • 安心感が最も大切

① 現実に引き戻さない

❌ 悪い例
本人:「息子が迎えに来るの」(亡くなっている)
あなた:「息子さんは亡くなったでしょう」
⭕ 良い例
本人:「息子が迎えに来るの」
あなた:「息子さん、楽しみですね。どんな方ですか?」
→ 気持ちに寄り添う

② 短く、シンプルに話す

❌ 悪い例
「お食事の時間ですが、今日のメニューはお魚で、煮付けになっています。召し上がりますか?」
⭕ 良い例
「ご飯の時間ですよ。お魚ですよ」
→ 一文を短く

③ ジェスチャーを使う

  • 「座ってください」→ 手で椅子を指す
  • 「飲んでください」→ コップを口元に
  • 言葉+動作

④ 同じことを何度聞かれても

❌ 悪い例
「さっき言いましたよね」
⭕ 良い例
初めて聞かれたように答える
「○時ですよ」(何度でも優しく)

⑤ 不安を先取りする

  • 「トイレはこちらですよ」(定期的に案内)
  • 「ここにいますからね」(離れるとき)
  • 「すぐ戻りますね」(必ず戻る)

👨‍👩‍👧‍👦6. 家族とのコミュニケーション

家族も支援の対象

家族の心理状態:

  • 疲労困憊
  • 罪悪感(十分できていないと思う)
  • 悲しみの準備(予期悲嘆)
  • イライラ、怒り
  • 無力感

効果的な声かけ

❶ 労をねぎらう

  • 「いつも○○さんのそばにいてくださってありがとうございます」
  • 「本当によく頑張っておられますね」
  • 「お疲れ様です。少し休まれてください」

❷ 具体的に褒める


「よくやってますね」(漠然としている)

「さっきの声かけ、とても優しくて○○さんも嬉しそうでしたよ」

❸ 選択肢を提示


「どうしますか?」(困る)

「AとB、どちらがいいと思いますか?」
または
「こうするのはどうでしょう?」

❹ 罪悪感を軽減

家族:「もっと何かできないかと…」

あなた:「○○さん、ご家族がそばにいてくれるだけでとても安心されていますよ。それが一番大切なことです」

✅7. 今日から実践!コミュニケーションチェックリスト

会話前の準備(10秒)

  • 時計・スマホをしまう
  • 深呼吸して心を落ち着ける
  • 笑顔(穏やかな表情)を作る

会話中(常に意識)

  • 目線を合わせる(同じ高さ)
  • 体を向ける
  • うなずき・相づち
  • 繰り返し
  • 沈黙を待つ(10秒)
  • 感情を言葉にする

会話後(振り返り)

  • 本人の気持ちを理解できたか
  • 最後まで聞けたか
  • アドバイスばかりしなかったか

📊8. よくある失敗と改善

失敗例① 話しすぎ

❌ 悪い例
本人:「不安で…」
あなた:「そういうときは○○して、△△もいいですし、私の経験では××で…」
→ 本人が話せない
⭕ 改善
本人:「不安で…」
あなた:「不安なんですね…」(沈黙)
本人:「夜が特に…」
あなた:「夜が不安なんですね」

→ 話す:聞く = 3:7

失敗例② すぐに解決しようとする

❌ 悪い例
本人:「家族に申し訳ない」
あなた:「そんなことないですよ!家族も喜んでやってますよ」
→ 気持ちを否定
⭕ 改善
本人:「家族に申し訳ない」
あなた:「申し訳ないと感じているんですね」(沈黙)
本人:「迷惑ばかりで…」
あなた:「そう感じてしまうんですね」
→ まず受け止める(解決は後)

失敗例③ 励まししすぎ

❌ 悪い例
本人:「もうダメかも…」
あなた:「頑張って!負けないで!」
⭕ 改善
本人:「もうダメかも…」
あなた:「そう感じているんですね。とてもつらいですよね」

📝9. 3日目のまとめ

コミュニケーションの基本姿勢:

  • ✅ 目線を合わせる
  • ✅ 体を向ける
  • ✅ 時間を確保する
  • ✅ 穏やかな表情と声

傾聴の技術:

  • ✅ うなずき・相づち
  • ✅ 繰り返し(オウム返し)
  • ✅ 感情を言葉にする
  • ✅ 沈黙を待つ(10秒)
  • ✅ 開かれた質問

難しい場面:

  • ✅ 否定しない、受け止める
  • ✅ 嘘はつかない、でも冷たくしない
  • ✅ まず聞く、解決は後

黄金比:話す:聞く = 3:7

🎯10. 明日からの実践課題

必ず1日1回はやること

  • 「今日はどんな気持ちですか?」と聞く
  • 相手の言葉を繰り返す(オウム返し)
  • 10秒の沈黙を守る

チャレンジ課題

  • 会話中にスマホ・時計を見ない
  • 「頑張って」を言わず、代わりの言葉を使う
  • 家族に具体的に声をかける

振り返りメモ(1日の終わりに)

今日の会話で:

  • うまくできたこと:
  • 難しかったこと:
  • 明日改善したいこと:

🔜明日(4日目)の予告

テーマ:意思決定の支援 (アドバンス・ケア・プランニング)

  • 本人の希望の聞き方
  • 家族との話し合いの進め方
  • 「もしものとき」の話し方
  • 意思が確認できないときの対応

重要な日になります!
今までの傾聴技術を使って、
より深い会話をする方法を学びます。

💭今日の振り返り(2分)

  1. 今日、10秒の沈黙を守れましたか?
  2. 相手の言葉を繰り返せましたか?
  3. 「話す:聞く」の比率はどうでしたか?

🎉3日間、本当にお疲れ様でした!🎉

半分近くまで来ました。
着実に実践力がついています!

明日も一緒に学びましょう!


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