10月24日「スポーツに学ぶ勝利の方程式」

「自己信頼」が栄光の扉を開く

 累計20万部超えのベストセラー『失敗の科学』『多様性の科学』に続く『勝者の科学』(永盛鷹司訳、ディスカヴァー・トゥエンティワン)が反響を呼んでいる。著者は英国人ジャーナリストのマシュー・サイド氏。長年のスポーツ現場の取材経験から、一流のアスリートやチームに共通する勝利の方程式を解き明かす。
 
 著者は本書の中で、サッカー史に刻まれる名勝負を例に挙げる。1999年の欧州チャンピオンズリーグ決勝、マンチェスター・ユナイテッドが0対1の劣勢から、試合終了間際に2ゴールを決め、逆転勝利を収めた試合だ。
 
 この勝利は偶然ではなかった。なぜなら、彼らは準決勝の第2戦も劇的な逆転で勝ち上がっていたからだ。さらに別の大会の準決勝でも1人少ない10人で強豪相手に戦い抜いた。数々の試練を乗り越えた経験によって、チームは強くなっていたのである。
 
 チームの置かれた戦況がいかに困難に見えても、戦っている選手一人一人の「心」がどうか。その一点で、結果は全く違ってくる。著者は「信じたときにしか、奇跡は起こらない」と強調する。
 
 作中で引用される米国の心理学者シェリー・テイラー氏の研究によると、ある課題に直面した際、自分の可能性を信じる「自己信頼」の人は、課題をより速く、効率的にやり遂げられるという。一方で、課題の難しさを悲観的に捉える人は、課題に取り組むのが遅く、集中力もそがれ、途中で諦めてしまう傾向があるそうだ。
 
 決勝戦に見られた粘り強さとチームワークは、選手たちが持つ「信じる力」を示すものだった。“最後まで諦めない”一人一人の執念と団結が、奇跡の逆転劇を呼び起こしたといえよう。
 
 「自己信頼」という言葉から、「おのれを信ぜよ」と高らかに訴えた米国の思想家エマソンを思い起こす。彼は言った。「君が自分の仕事をすれば、きっと君は君自身を強化する」(酒本雅之訳)と。
 
 ならば、自己信頼を土台として築かれる団結こそ最強であろう。
 
 広宣流布の道のりもまた、幾多の困難を乗り越えてきた連続闘争の歴史である。その原動力は、不可能を可能にする強盛な祈りと不屈の行動にほかならない。
 
 自分を信じ、仲間を信じ、勝利を信じる――その強き信念の力で偉大な栄光の扉は開く。

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