10月19日「ソロー」

こんばんは。今日は一日気温が上がり蒸し暑い日でしたね

〈ソロー〉
今こそ好機逸すべからず! 君は
現在に生き、あらゆる波に乗って
船出し、各瞬間に永遠を見出すのだ。

 今から170年前、アメリカで一冊の本が出版された。自然の教訓と人間のあるべき姿を示し、20世紀の環境運動に大きな影響を与えた『ウォールデン』(日本語版タイトル『森の生活』)である。

 “アメリカ人が書いた本の中で最も読まれる古典”といわれる一書を残したのは、ヘンリー・デイビッド・ソロー。19世紀の「アメリカ・ルネサンス」の巨星と輝く著述家である。

 だが、44年の生涯で出版された著作は、わずか2冊。大きく注目されるようになったのは、20世紀に入ってからだった。歴史を動かす原動力にまでなったソローの思想を巡り、現在は数多くの評論や伝記などが出版されている。

 彼の言葉に、こうある。

 「われわれは不注意と愚かしさとから、正しくない道を選んでしまうことが多い。この現実の世界でいまだかつて誰も歩いたことのない道、心の内なる理想の世界でわれわれが好んで旅する道とそっくり呼応するような道を、われわれは歩きたいと思う」

 「善い政治の効果は人生をより価値あるものとするが、悪い政治のそれは人生をより価値のないものとする」

 「今こそ好機逸すべからず! 君は現在に生き、あらゆる波に乗って船出し、各瞬間に永遠を見出さねばならない」

 1817年7月12日、ボストン郊外のコンコードで、4人きょうだいの3人目として生まれたソロー。一家は各地を転々とした後、鉛筆製造の仕事で生計を立てる。

 成績優秀で16歳にしてハーバード大学に入学。決して裕福な家庭ではなかったため、きょうだいや親戚の支援を受けつつ、奨学金をもらって学業に励んだ。

 大学での学びが終わろうとしていた30年代後半、運命的な出あいが訪れる。哲人エマソンのエッセー『自然』である。古今東西の名著に親しんだソローが、最も大きな啓発を受けた本の一つが、在学中に読んだ同書であった。

 20歳で大学を卒業後、コンコードに戻って教員となるが、当時は一般的だった体罰に反対して2週間で辞職。ソローは非行に走る子どもを“むち”ではなく“対話”によって変えようとした。

 安定した職を手放した彼に、世間は奇異の目を向ける。そんな失意の人生に手を差し伸べたのは、同じハーバード大学の卒業生で、すでに名声を得ていた、師匠となり友人となるエマソンだった。

〈ソロー〉
人間は、自分が目的とするもののみを
獲得する。ゆえに最も高いものだけを
目的としなければならない。

 教員を辞めたソローは兄の援助を受け、私塾を開く。しかし、やがて兄が病気になり、閉鎖を余儀なくされてしまう。
 
 その後は詩人を志すが日の目を見ず、1841年から数年間、すでに親交のあったエマソンの家に住み込むように。共に雑誌の編集を行い、執筆や講演にも力を入れ始めた。
 
 28歳になる45年、挫折続きだったソローに大きな転機が訪れる。「自らの内面を開発せよ」とのエマソンの理念を実践に移し、彼から提供されたウォールデン湖畔の土地に小屋を建てる。
 
 そこで2年2カ月過ごし、自然を観察しながら、人間社会を見つめ直す中でつづったのが『ウォールデン』であった。
 
 自然と共に生きる一方、小屋には多くの友人の訪問があった。思索には“孤独であること”と“社会に身を置くこと”の両方が必要であると、ソローは考えていた。
 
 森での生活を始めて1年ほどたったころ、ソローは投獄される。奴隷制度や戦争に反対し、税金の支払いを拒否していたからだ。
 
 「私が当然ひき受けなくてはならない唯一の義務とは、いつ何どきでも、自分が正しいと考えるとおりに実行することである」「人間を不正に投獄する政府のもとでは、正しい人間が住むのにふさわしい場所もまた牢獄である」と、彼は記している。釈放後も、マサチューセッツ州にいる100万人の奴隷解放を訴え続けた。
 
 62年5月6日にソローは亡くなるが、生前、その真意が理解されることはほとんどなかった。「孤独で反社会的な性格」と思われていた側面もあったようである。
 
 だが、彼の思想は後年、インドのガンジーによる非暴力の独立闘争、ヨーロッパにおける反ナチスの抵抗運動、アメリカのキング博士の公民権運動、レイチェル・カーソン博士の環境保護運動などに受け継がれていく。
 
 「結局人間は、自分が目的とするもののみを獲得するものである。それゆえ、最も高いものだけを目的としなければならない」
 
 文豪トルストイが書きとどめた、ソローの言葉である。  

〈ソローを通して語る池田先生〉
大事なのは「実行」である。
学会精神で進んでいくことだ。
ひとたび戦いを起こすならば、
断じて勝とう! 「異体同心」の
スクラムで、新たな常勝の歴史を!

先生は、東洋の「従藍而青」の言葉に言及しつつ、「どんな偉大な思想家も、また、優れた思想・哲学も、それを受け継ぎ、実践する人々がいなければ、やがて歴史の中に埋もれていってしまう」と強調。こうも訴えている。

 「師は、弟子が自身を乗り越えて大きく成長しゆくことを願うものです。師の思想を自身の行動によって大きく飛躍させ、発展させてこそ、真の弟子といえます」

 さらにこの年、先生はかつて関西の友に贈ったソローの言葉「ぼくたちは、正直であるというだけでは十分ではない。正直に対処すべき高尚な目的をいだき、それを実行しなければならない」を通し、広宣のリーダーに呼びかけた。

 「大事なのは『実行』である。まっすぐに学会精神で進んでいくことだ。戸田先生は叫んだ。『仏法は勝負だ。闘争を開始するからには、それだけの準備と決意と闘魂をもって、断じて勝つのだ!』
 ひとたび戦いを起こすならば、断じて勝とう! 勝って勝って勝ちまくっていこう!
 きょうよりまた、『異体同心』のスクラムで、新たな常勝の歴史をつづってまいりたい」(06年2月25日、方面長会議でのスピーチ)

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